ひーはーレポ

日々のレポート課題。

出張ラボ"サービスデザインの学び方"を開催しました

2月4日(土)に、未来デザイン研究会展示会『出張ラボ"サービスデザインの学び方"』を開催しました。

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今回は、第1部『クリティカルにプロトタイピングしているけど、合っていますか?』
テーマ: トークセッション+ワークショップ

mirailabws.peatix.com

第2部『プロジェクトを報告します』

テーマ:ポスター発表を用いたディスカッション

peatix.com

の二部形式。

二部形式にすること、ワークショップ(以下WS)を行うこと、そもそも東京で開催することなどなど、本当に全てが初めてだらけの展示会でした。

 

そんな中、私たちが考えていた展示会の目標は、来場者の方々とコミュニケーションがたくさんとれる展示会にすること。

 

そのために行ったこととしては以下のようなことがあります。

  1. 『お客様が入場し、出張ラボのことを同僚に話したりブログに書いてくれる』までのシナリオを想定して企画を行ったこと
  2. WSやフードドリンクの提供など、実際にプロトタイピングをして何度も再考を重ねたこと

 

まず1.について。

まず最初に、簡単にアクティビティシナリオを作成しました。

お客様にどんな体験をして欲しいかとともに、自分たちがどんなことをやりたいのかを紙面に書き出すところからスタートです。

f:id:hirhar:20170213144045j:plain▲一案目のアクティビティシナリオ 当日と異なる部分が多いが、当初から相互のコミュニケーションを重視していることがわかる

 これはあくまで第一案なのでどんどん変更していくのですが、『相互のコミュニケーション』だけはブレないように気を遣って企画を進めて行きました。

シナリオを書くことによって、「ここどうしたらいいんだろう…?」と迷った時の指針となっていたで、シナリオを作ることそしてそれをビジュアルを交えて書き出しておくことの大切さを実感しました。

 

 

次に2.について。

人の動きがここまで多い展示会を開催したことがないため、勝手が全くわからない私たちは、ビニールテープ等を使用して実寸の環境を作り上げ、何度もシミュレーションを重ねました。

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▲実際の空間と同じ大きさの空間を作り、WSの練習を行う

 

 結果、WS前の会場作りに関してはまさに"計ったように"。飲食に関しては、"もしも"のお客様対応が功を奏し、混乱せずに提供することがでていたように思います。

 

この経験を通して実感したことは、プロトタイピングを重ねることが如何に重要であるかです。

計画→プロトタイピング→修正→プロトタイピング→修正… この一見終わりの見えないようなループこそが、クオリティを上げていくための秘訣なのだなと思います。

如何に体を動かすことが大切か、理解できたような気がします。

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次に反省点としては

  1. アンケート等、展示会自体に対するご意見をいただく場が少なかったこと
  2. WS設計の到達点を明確にすること

が挙げられます。

 

まず1.について、展示会自体が『来場者の方々とコミュニケーションが取れるようにすること』と銘打っているだけあり、1体1または数人で懇談している際に展示会についてもヒアリングさせていただいていました。

しかし、面と向かっていると言い難いことも、紙面になら遠慮なくご意見いただけた可能性があるため、次を考えてアンケートを実施すべきだったかなと考えています。

 

次に2.について。

時間の関係上仕方なかったと言ってしまえばそれまでなのですが、内容面でのWS設計が甘かったなと反省しております。

 私たちの人数と参加者の人数、WSに使える時間、内容の難易度などすべての課題を解決しようとしすぎて、WSの質のバランスが中途半端になってしまいました。

・このクオリティを目指すなら、私たちはこの人数しかいないから定員は○名。

・○人を定員としたいから、時間は○分でクオリティはここまで。

など、次回はすべての項目が等式で繋がるような設計を心がけたいと思います。

 

 

 

 

最後になりますが、感想を少し。

今回は、ほんっとうに大変だったんです…

こんなことを言っては怒られてしまうかもしれないのですが、展示会前日にふと「なんで私たち半日の展示会のために、こんな何ヶ月も苦労してるの?」と嫌なことを考えてしまう自分がいましたw

しかし、展示会が終わり、次の日3年生で東京ぶらり旅をし、家に帰って母から感想をもらって(母と祖母が展示会に来てくれた)、ようやく「もしかしたら、私たち結構すごいことをやって来たのかもしれない」と、じわじわ高揚感のようなものが湧いて来ました。

思い返してみれば、数ヶ月間の苦労の中で新しく知ったことも、身についた技術・知識も、展示会で来場者の方々からいただいたアドバイスもたくさんあります。

きっとこんな幸せな展示会ができた学生は、なかなかいないだろうな!と少し鼻を高くしつつ。

この経験を無駄にせずに、次に迫っていることにどんどん活かしていこうと思います。

 

最後になりますが、展示会の企画段階においてお世話になった方々、ご来場いただいた方々、今までお世話になりました方々、本当にありがとうございました!

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 ▲おまけ:ひっそりこだわったコーヒー。地元のコーヒー屋さんで購入した豆をその場で挽き、ドリップコーヒーを提供。

 

 

 

 

 

クックパッドさんでグラレコ

先日4月16日(土)に、クックパッドさんで開催された『UXのきほん-サービスデザインに大事なコトについて-/浅野先生』にグラフィックレコーディング担当として参加させていただきました。
 
今まで数多く、講話やワークショップをグラレコさせていただく機会をいただいていましたが、実は先生も先輩もいない状態でグラレコをしたのは、今回が初めて。
一緒に担当した、小野寺・水谷とともに数日前からウンウン唸って準備を進めていました。
知らず知らずのうちに(というより無自覚だっただけかもしれない)、先輩の影で甘えていたのだなと実感しました。
 
 

▶︎3つの目標

今回グラレコをする上で目標を3つ考えていました。
 
  1. 受講者がグラレコを自社に持ち帰ってセミナー内容について説明出来る
  2. 受講者がグラレコを見て、「UXってこういうことだったんだ!」と理解出来る
  3. 受講者がグラレコを見て、「そういえばこんなことを言っていたな」と思い出せる
 
1〜3にかけて、自分たちにとって最高〜最低のゴールとして設定。
また、浅野先生からアドバイスをいただき、もっと具体的な目標として
 
『UX・サービスデザイン・HCD/UCDの関係がこのグラレコで分かるか受講者の方々に聞く』
 
を設定しました。『UXのきほん』と題したこのセミナーでは、この三者の関係性が一番の鍵になるのではないかと事前の準備で話し合っていたからです。

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▶︎グラレコ本番

いよいよセミナー開始。
一段高い場所でグラレコをさせていただいていたため、受講者の方々がとてもよく見える。緊張が振り切っていましたが、鼓舞しあいながらグラレコを開始しました。
 
実は、自分の中での初めてが『先輩なしグラレコ』とは別にもう一つ。今回のグラレコではディレクターの役割を担当していました。
私たちは、グラレコを行う上でディレクター・情報を付箋に書き取る・情報を模造紙に書くという3つの役割を大抵設定しています。ディレクターはグラレコ全体の方針を決め、様子を見て修正加筆をする役割です。

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実際はそれぞれの力及ばす、空いている人が間に合っていないところを担当するという、担当分けがあまり意味をなさないものになってしまいましたが、なんとか最後まで記録をすることができました。
完璧にはこなせないまでも、レコーディング中に「ここどうしようか」「○○だからこうしよう!」と話し合いをしながら役割を果たせたかなとひそかに思っています。
 
セミナー後のビアバッシュでは、多くの方々にお話をお伺いすることができました。
UXを会社に持ち込むということや、デザインとアートについての見解、会社の説明、自分の中でこんな信念を持ってこういう仕事をしているというリアルなお話まで、私たち学生が普段の生活では感じることのできない社会人ならでわの貴重なお話をお伺いさせていただきました。
またこのお話の中で、なぜ自分がグラフィックレコーディングをやっているのかその答えも見えたような気がします。

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▶︎学んだこと

まず、今回掲げた3つの目標
 
  1. 受講者がグラレコを自社に持ち帰ってセミナー内容について説明出来る
  2. 受講者がグラレコを見て、「UXってこういうことだったんだ!」と理解出来る
  3. 受講者がグラレコを見て、「そういえばこんなことを言っていたな」と思い出せる

     

は、ビアバッシュの中でお話をさせていただく中で3番と2番はできていたのではないかと考えています。1番目は毎回のグラレコでの目標でもありますが、セミナー後のグラレコの活用方法について書く側も見る側も扱いに困っているのではないかなと思いました。
私たちにとっては、グラレコをすることでセミナーの内容を噛み砕くことも出来、いわゆるグラレコの研究として活用することができます。しかしそれでは、グラレコという商品のサービスの提供対象であるユーザーに、その場限りのサービスとなってしまう。今までも、振り返りであったり、会社に持ち帰るであったりと『その後』の使用方法について想定はしていましたが、書くことに必死であまりそちらを考えていられなかったなと反省しています。今後は、グラレコの後日の使用方法について考えていけたらと思います。
 
また、『UX・サービスデザイン・HCD/UCDの関係がこのグラレコで分かるか受講者の方々に聞く』
という目標も、ご意見をいただく限りでは達成できていたのではないか。
自分たちでも、「この部分はしっかり噛み砕いて自分の言葉に置き換えてかけたんじゃないかな」と話しています。
次は、自分たちの考えだけでなく、多くの参考資料を見て知見として蓄えてから望む癖をつけたいです。
 
私個人の今後の目標としては、何事にも3つゴール(目標)を明確に持つことです。「間違っているかもしれない」という恐怖から、いままで曖昧にしがちでしたが、逃げていたらやる意味がない。
この意思を持って、大学3年生の生活を過ごしていきたいです。
 

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最後になりますが、この度お世話になりました皆様、貴重な機会をいただきまして本当にありがとうございました!
 
 
 

福岡でRTD/グラレコ その②

 

そして迎えた、UX Japan Forum2015。

まずは朝のミーティングから先輩と悩んでいました。

ペンで直書きするか、ポストイットだけで記録するか、紙は縦か横かetc…

沢山悩みましたが、結論として私たちが実行した記録のルールは

 

  • とりあえず模造紙上に先に貼っておいた付箋に情報をできるだけ書く
  • 同時進行で関係性をまとめる(時系列はあまり気にしない)
  • 情報は二人で聞き取って付箋に書くが、模造紙上に関係性をまとめるのはどちらか一人

 

でした。

これは全て、前日のWSで九産大の学生さんや成安大の学生さんたちのやり方からヒントを得たものです。予測をしないというルール。

今までは、事前に紙面のどこにどの情報を配置しようとか、この枚数内に完璧に収めようとか、ここにはイラストを入れたら見やすいだろうとか、どうしても綺麗にまとめたがる癖が出ていました。

しかし、前日のWSで得た「かもしれない」という気づき、

  • 1+2=3も2+1=3も順番が違うだけで、答えは同じ。もし並べ替えた方が理解しやすいのであれば、自分の好きな方を使ったほうがよいのかもしれない。
  • テキストでは伝わりにくいことをグラフィックにしていたが、それを自分たちなりに考えてテキストに起こすことが学びにつながる。もしくは、『うまくテキストに起こせない』という事実を記録した方が、その時の感情をリアルに思い出せるのでは。

 これを取り込もうということになりました。

今までに一度もやったことも考えたこともない、まさに新たな挑戦。緊張がピークを迎えていたのを覚えています。

 

 

いよいよ本番。

一番心配だったのは、情報の聞き取りと模造紙上へのまとめが同時進行にできるのかということでした。

しかし、実際にやってみると難しくてスライドを見ないとわからない!という時と理解に時間がかかる場合を除き、むしろ普段よりも格段に早く多い情報量を付箋に書き出すことができていました。

いつもなら、付箋の塊のまま手の上でメモを取るところを、今回はあらあかじめ模造紙に付箋紙を貼っておきました。そうすることで、『聞いて・理解して・書いて・はがして・貼る』の『はがして』の行程がなくなります。

これだけでも、相当なタイムロスになっていたのだなと技術的な面でも気付きを得ることができました。

 

また、時系列を気にしないという行為から、記録している私たちも理解が深くなっている実感がありました。

ただ単に、時間に沿って書いていくだけでは話のつながりや、こことことを足したからこうなった。というような道筋を記録することはできませんし、理解を繋がったものにすることはできません。

(時系列的な)予測をしないからこそ関係性をまとめる必要があるため、情報を精査してしっかり記憶するようになっていたのです。

 

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▲坂田一倫氏 『サイレント・マイノリティ』

 

 

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▲村越悟氏 『対話から始まるデザインプロセス』

 

 

できあがった記録を改めて見てみると、RTDのように時系列ではなく、グラレコのように手書き・グラフィック重視でもない。

話の関係性・影響・そして何より、『ようは何を言いたかったのか』が明確で分かりやすくなっています。

ぱっと見では分かりにくいですが、内容の面では今までの常葉のグラレコとは全く違った。新しいものになっていました。

 

フォーラム終了後の懇親会では、私たちの記録に対する沢山の感想や意見をいただきました。

その中でも特に印象に残っているのは、森田先生から質問いただいた

「この情報ってどの時点でここに関係して、一番重要だなって理解して最後に移動してきたの?」

です。

下記の写真の赤い四角で囲ってある部分。

確かにこの情報は、後半ではなく中盤あたりで話されていたことだと記憶しています。

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この質問を受けた時、私たちは答えることができませんでした。

自分たちでも、いつここに持ってきたのか、なぜ結論に近づけるべきだと思ったのか理解できていなかったのです。

この時に、自分たちの記録の長所がこの部分であるとともに、答えられない理論化できていないという点では短所であるということが初めて明確に分かりました。

これが『特徴』だということ。

 

ここでも、いつもの分かっていた『つもり』。

自分たちの特徴すらおぼろげだったのに、分かっていたつもり。これは、三大学共同のWSを行い、それぞれの特徴を吸収して、新たな試みをしなければずっと気づいていなかった大切な部分だと思いました。

 

 

この二日間の体験を通して分かったことは3つあります。

  1. 記録において(WS以外)時系列よりも関係性でくくったほうが分かりやすい
  2. 自分たちは今までグラフィックに頼りすぎていた。グラフィックにすれば全てがわかりやすくなるわけではない
  3. 外部との交流をもって意見交換をしなければ固定概念から抜かられなくなってしまう

 

そして、いまの時点で理解している今後の課題は2つあります。

  1. なぜ自分たちはあの情報を大切だと理解し、どの時点で結論に持って行ったのかを解明する
  2. 「グラレコをするとこうなります」でなく、「○○だからグラレコを使用しているんです!するんです!」の○○を解明し、自分たちがなぜこの記録手法をしているのかが説明できるようになる

2番目は前日のWSで浅野先生からいただいたアドバイスです。

このふたつは、簡単に答えが出るものではないと思います。

しかし、私たちがグラレコやRTDの研究を進めていく指針がこれでようやく明確になったのではないかと思います。

 

 

 

 この2日間で多くの気づきや結果が得られたのは、この機会をくださった先生方やフォーラムのスタッフの方々、九産大の学生さんや成安大の学生さんのご協力があったからこそだと思います。

特に2日目のグラレコを前に緊張していた私が最後までやり切れたのは、九産大・成安大の学生さんと交流をし、学内にいるだけではわからない熱量を沢山分けていただいたからです!

 

今までの人生のなかで一位二位を争う、刺激的な2日間でした。

本当に有難うございました!

 

 

 

 

 

福岡でRTD/グラレコ その①

 UX Japan Forum 2015の前日に、九州産業大学・成安造形大学・常葉大学の三大学合同でワークショップをやらせていただきました。

 

 今回は一応、福士先輩と私がRTDのレクチャーをするという形をとらせていただきましたが、 本当の目的は

 『三大学それぞれのやり方・特徴を見、誰のための記録なのか、記録とはなんなのかを意見交換する』

 ことでした。

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私たちなりに考えていた、『記録の意味と誰のための記録』は以下の通りです。

  • 知識(情報)を吸収してその知識(情報)を再解釈すること
  • 『自分で勉強をして理解・記憶した情報』と『自分では知覚することができない事柄(自分の行動・失敗の分岐点)』をプラスして、広い視野の情報を得てステップアップできること

 

今回の目的から考えれば、ここを重点的に意見交換するべきだったのだと反省しています。

当日のWSは本来の目的から外れ、グラレコの技術的な紹介や常葉流のやり方紹介になってしまっていました。これでは、九産大の学生さんに私たちのやり方を押し付けてしまう形になる。そんなことにも気づけていませんでした。

事前のMTGで、各学校もしくは個人が持っている『記録が誰のためのものなのか、そもそも記録とはなんなのか』を考えておいていただいて、一番最初にディスカッションから入っていれば・・・そんな反省が今頭を占めています。

 

そんな落ち込みの中、浅野先生や森田先生からアドバイスをいただき、なんとか軌道修正。

 

最後の方に用意していた実践のコーナーを、私たちがレクチャーしたやり方ではなく、それぞれが普段やりやすいと感じているやり方で記録していただくことに。

 

 

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すると、ここで沢山の発見を得ることができました。

私たちはレクチャーの中で、『時系列に並べる』ということを無意識に重要だとしていました。

しかし九産大の学生さんの中には、時系列を全く気にせず、とりあえずポストイットに全て書き出してから分類をしたり、感情をグラフ化してCJMのようにしたり、先に足し算のようにする!とフォーマットを決めていた学生さんがいたりと、私たちが考えもつかなかったような記録の仕方が沢山あったのです。

 

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▲ピンボケ写真しかなくてごめんなさい・・・

 

 

ここから私たちが考えたことは、

『記録する上で時系列はあまり重要ではないのでは?』

『グラフィックに頼らなくても伝わるやり方があるのでは?』

ということです。

 

この時点では予感のようなものでしたが、時系列を重要視して記録したものやグラフィックを多用したものよりもずっと理解しやすかったのです。

 

  • 1+2=3も2+1=3も順番が違うだけで、答えは同じ。もし並べ替えた方が理解しやすいのであれば、自分の好きな方を使ったほうがよいのかもしれない。
  • テキストでは伝わりにくいことをグラフィックにしていたが、それを自分たちなりに考えてテキストに起こすことが学びにつながる。もしくは、『うまくテキストに起こせない』という事実を記録した方が、その時の感情をリアルに思い出せるのでは。

 

ここで生まれた私たちの『かもしれない』は、翌日のUX Japan Forum 2015の記録において大きな変化を生むこととなりました。

 

長くなってしまったので、その②に続きます!

 

 

情報デザインフォーラム2015『キヅキとデザイン』

 

9月22日に千葉工業大学さんで行われた、情報デザインフォーラム2015『キヅキとデザイン』に参加させていただきました。

昨年に引き続き、ポスター発表もさせていただきました。

そこでの振り返りを述べさせていただきます。

 

 

自分が行っているプロジェクトの大切な部分に、発表を通して改めて気がつく 

 

今回のフォーラムでは、『行政・住民・観光客のニーズを統合した地域活性の広報設計』と題してポスター発表をさせていただきました。

プロジェクト自体はまだ終了しておらず、中間発表という形です。

 

多くの方に説明をさせていただいた中で、ある方が「自分も地域の方々とのプロジェクトをしたいと思っていて参考にしたいんです」とお話ししてくださった方がいらっしゃいました。

その際私は、「地域の方々には強かれ弱かれ『プライド』がある。それに気づいてどう広報していくかが一番重要だと考えている」というお話しをさせていただきました。

自然と口から出た言葉でした。

今考えると、若輩者の分際で…という反省もありますが、ついさっきまで自覚していなかった自分の中での確固たる方向性に気づくことができました。恐らく元々知っていたのに見えていなかったのだと思います。

あたりまのことかもしれませんが、この場で発表させていただけたからこその気づき。

メンバーとこの考えを共有して、さらに良い広報物にできるよう研究を進めていきたいと思います。

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個人の自分と組織の自分は一致しない

 

Glyph代表の柳本浩一さんの講演会でとても印象に残ったお話です。

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柳本さんのお話とスライドを元に簡単にまとめました。

『個人での自分の考えと組織での自分の考えは変わってしまう。だからこそこの間の自分の意見を共通させることが大切である。』

このお話は企業だけの話ではなく、アルバイト先でも私が今まさに進めているプロジェクトでも全てのことに当てはまることで、一致していることに気がつき愕然としました。

振り返ってみると、自分一人で見たり考えたりした時は、こんなのじゃ改善されるわけないじゃん、インタビューの仕方が悪いんだな、ここをこうしたらどうだろう?など自分たちが作ったものに対して反省と改善を考えることはできていても、一人以上のグループになると、これでいいんじゃない?すごい完璧、など反省と改善を忘れ悪い部分が見えなかったり、見えないようにしてしまうことが多いように思います。

だからこそ、疑う力が必要なのだなと実感しました。

グループワークの際、自分に対してもそうですが誰かの意見やグループ全体の意見が出た時、「それって一個人でもそいう風に感じる?」と一石投じる勇気を持ちたいと思います。

 

自分たちのグラフィックレコーディングとの違いは?

 

今回のフォーラムでは、東海大学ビジュアルミーティング研究会の方々が、リアルタイムドキュメンテーションを実験として公開してくださっていました。

私も講演会中や振り返りの際に使用させていただきましたが、タイムラグもなく(情報の書き取りを優先して少し時間の余裕ができたら見やすいように構成し直す)、1ページに1つの話題となるように内容の編集、文字のジャンプ率や余白など計算された読みやすさ、スマートフォンで一人一人が見られる気軽さ、好きな時に見返すことができるなど、素晴らしい部分が沢山あり敬服しっぱなしでした。

では、自分たちのグラフィックレコーディングと東海大学さんのRTDの違いはどこにあるのか?

▶︎手書きであること(人間味を感じる?)

▶︎模造紙を壁に貼り、それを参加者の方々に見ていただく(大人数で一つのグラレコを見る)

▶︎書き直しなし

▶︎学習者と講師・学習者同士の学びのリソースを記録する

▶︎必要であればビジュアライズする

▶︎学習者と講師・学習者同士の学びのリソースを記録する

もっと細かく挙げれば沢山あると思いますが、私が気づいたのは以上の部分です。

これは、今回のような講演会であった場合有効でないようにも感じました。しかしワークショップ形式であった場合、利用者の方々からの意見でもあった通り▶︎学習者と講師・学習者同士の学びのリソースを記録する▶︎学習者と講師・学習者同士の学びのリソースを記録するが最大限生かされると思います。

では、今回のような講演会では私たちが今使っている手法は全く有効ではないのか?これ以上の手段はないのか?

これは今まさに研究していて、破るべき殻の部分だと考えています。

東海大学さんのリアルタイムドキュメンテーションをそのまま真似するだけではダメですが、まずは取り入れられそうな部分を真似させて頂いたり、そこから導き出されたヒントや種から、新たなステップアップに繋げられたらと思います。

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今回お世話になりました、千葉工業大学のみなさま、アドバイスをくださった皆様、本当に有難うございました。

 

 

大阪でグラレコ

 先日、大阪にある某ゲーム会社メーカーと電気会社メーカーで行われたブレストのグラフィックレコーディングを担当させていただきました。

ブレストやレコーディングの内容を詳しく書くことはできないので、2つの企業様を訪問させていただいて感じたことの感想を書かせていただきます。

 

まず一番勉強させていただいたと思うことは、最前線で働いている方々の仕事や雰囲気を自分の目で見ることができたということです。⚪︎⚪︎は自分の仕事じゃないから分からない、ということなくそれに対する自分の考えも持ってどんどん発言をする。これは学生でも出来なければならないことだとは思うのですが、社会人になれば当たり前に出来なければならないことなのだと痛感しました。さらに、グラレコをしている私が「あ!こことここが繋がった!」と感動する場面が何回もあり、限られた時間の中で仕事をこなすスピード感も重要なのだと感じました。

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▲可愛く描きすぎた自己紹介イラスト

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▲ブレスト終了後にグラレコを使用して振り返りをさせていただきました

 

 

また、浅野先生の「提供する側が何をしたいかが明確でない限り、いくらユーザー視点に立ってもよいもの(サービス)はできない」というお話が印象に残っています。このお話は、現在私が携わっているプロジェクトにも言えることで、自分の中で『誰にどのようなものを提供したいのか』ということが具体的に考えていられなかったように思います。自分も⚪︎⚪︎をつくりたいと考える一ユーザーであるということを意識して、まず自分が何をしたいかを明確にすることから始め、これからのプロジェクトに取り組んでいきたいと思います。

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 ▲2チームに分かれてのWS 専門用語や企業特有の決まりごとが出てきて、ついていくことが大変難しかったです

 

分野の違う二つのメーカー様の雰囲気を感じることができ、とても参考になりました。

お世話になりました企業様、本当にありがとうございました!

第7回 サービスデザイン方法論

1月10日(土)東京ミッドタウン・タワー ヤフー株式会社で行われたHCD-Netの『第7回 サービスデザイン方法論』に参加させていただきました。浅野先生からお声かけいただき、福士先輩(リーダー)、濱西、小野寺、広沢のメンバーでグラフィックレコーディングに挑戦しました。

今回グラフィックレコーディングを行ったのは

  • 受講者によるライトニングトーク(個人的なノートに)
  • 基調講演「組織とサービスデザイン(坂田 一倫氏)」
  • ディスカッション

の3つです。

 

まず最初にライトニングトークでのグラフィックレコーディングについてです。この回では、全6回行われたセミナーの振り返り・実践してみての感想・今後の課題など、それぞれの方が5分程度トークを行いました。そこで私たちは自分のノートなどを使ってグラフィックレコーディングに挑戦。これがその画像です。

 

SIerとサービスデザイン 遠藤敦子さん》

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ボールペン一本のみでやってみようと挑戦しましたが… やはり太めのペンと少しの色を使用した方が見やすいです。そしてフォントで区別化をすることができていません。情報を聞き取ることに必死だったとしても、”見やすさ”というのはグラフィックレコーディングにとって重要な要素だと思います。まだまだ修行が必要だなと痛感しました…

 

次に坂田さんの基調講演です。「組織とサービスデザイン」というタイトルで行われたこの講演は、福士先輩(リーダー)、濱西がグラフィックレコーディング担当、小野寺と私はその補助という割振りの中スタートしました。約45分という時間レコーディングをしたことのなかった私たち(1年生)にとって予想以上に過酷な時間でした。途中私と小野寺もレコーディングに加わり作業をしましたが、まさに手も足も出ないとはこのこと。情報を拾い切れていない部分も多々ありました。

 

 《組織とサービスデザイン 坂田 一倫さん》

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それでも講演終了後、「講演内容すべてを記録するのではなく、伝えたい部分大切な部分のみをかいてくれているから分りやすい」というお言葉をいただくことができました!確かに、会議内容を事細かに書いてほしいという欲求もあれば、要点だけを絞ってほしいという欲求もある。その部分も臨機応変に対応しておくべきだなと思いました。前日に海外のプロの方のグラフィックレコーディングを見たり、事前に全員でミーティングした効果もあったのか、紙の横にタイトルの幅を大きくとる、限定された色で見やすく彩色する、講演の導線ができるだけわかりやすいようにするなど、新たな試みや事前の目標も全部ではありませんが達成できていたと思います!

 

今回のグラフィックレコーディングで気づいたことがいくつかあります。

まず一つ目は、情報を付箋に記録する人と模造紙に記録する人の間で情報交換が何回も繰り返されているということです。この行動はとても大切なことだとは思うのですが、「これ誰の発言?」「これいつ言ってたっけ」など、せっかく付箋に書き起こしても、共通理解ができていない。これは、模造紙に書く側は聞く・書く・構成するができることがグラフィックレコーディングの条件だと考えるので、その経験・スキルを増やすこと。 付箋に書く側は、誰の発言なのか分るよう名前を書いたり、数字を書いておくなど即理解しやすいようにするなどが必要だと感じました。

そして二つ目は、複数人でも混乱なくレコーディングができるんだということです。この講演会でグラフィックレコーディングをするまで、最高でも2人模造紙係と付箋係で精一杯だろうと考えていました。なぜならグラフィックレコーディングはスピード勝負な部分があり、人数が多ければ多いほど構成の面で意思疎通が必要でその時間はないだろうと思っていたからです。しかし今回はその逆で、人数が増えただけ一人の負担も減り、ここ書くからここ書いてね!などむしろ効率が上がりました。これも条件によって異なってくることだとは思うのですが、新しい可能性を発見できたことはとても励みになりました。

 

 

最後に、よくされた質問として「絵が描けない人でもグラフィックレコーディングはできるの?」というものがありました。グラフィックレコーディング初心者の私がえらそうに言えることではないのかもしれませんが、その場では「絵は名前を書くから最悪棒人間でも大丈夫(?)です。大切なのは情報を聞いて取捨選択をして見やすく構成をすることだと思います。」とお答えさせていただきました。

これはいつも自分自身に言い聞かせていることです。私は今回のグラフィックレコーディングで、イラストにこだわりすぎるという部分はありませんでしたが、どうしても聞く・構成するという面で力不足を痛感しました。

 

今回、グラフィックレコーディングをさせていただいて多くの反省や気づき、良かった面を得ることができました。次の機会には、もっとパワーアップして臨んでいこうと決心した!そんな貴重な体験でした。